プラスの嫉妬とマイナスの嫉妬

こんにちは。森田由美子です 。
新型コロナウィルス感染が日常生活に影響を及ぼし始めて、
随分と時間が経ちました。
様々な場面や環境での変化への対応を
余儀なくされている状況が続いています。

私の楽しみのひとつだった観劇も、
なかなか気軽にできなくなって 寂しい限りです。
今回は、私が以前に観劇した戯曲を入口にお話しをしていきますね。

2種類の嫉妬

『オイディプス王』(またはエディプス王)をご存知でしょうか?
古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソポクレスが、
紀元前427年ごろに書いた戯曲です 。
精神分析の祖のフロイトは、人間の嫉妬はジェラシー型で、
「オイディプスコンプレックス」という心理概念で提示しました。
戯曲の内容に興味のある方は、調べてみてくださいね。

フロイトがいう「嫉妬」は、自分より有能な人(有能と思われる人)がいると、その劣等感を乗り越えてやろうという、プラスのパワーに変えていく嫉妬です。
一旦負けを認めて、それをバネに超える努力をするやり方ですね。

その後、子供の精神分析を専門とするクラインが、
嫉妬についてもう一つの考えを提示しました。
それは、劣等感を感じたときに、
相手を攻撃したり、引きずりおろそうとしたり、
マイナスのパワーを発揮しようとする心理になるというものです。
正反対の考え方ですね。

世の中には、自分よりも優れている人があまたいることは、
みなさんわかっています。
そこでたいていの場合、相手を自分より下に見ているときに、
嫉妬が生まれると言われています。

「自分のほうができるのに、どうして彼がリーダーに抜擢されたのか」
「自分のほうが貢献しているのに、なぜあの人のほうが評価が高いのか」
こんな状況のときに、嫉妬が生まれるわけです。

あなたが最近、嫉妬を感じたのはどんなことでしたか?
社内人事評価が高い、上司・先輩と仲がいい、
自分よりも成長できる環境にいる、ゴルフ友達が多い などなど。
嫉妬はどこでも、どんな場面でも生まれる可能性があります。

嫉妬から生まれた攻撃性が、
立場の弱い者に向けられるとパワハラやセクハラになり、
恋愛感情が絡めばストーカー行為といった形で表面化します。
非常に危険な状況になることも想定できます。

嫉妬をプラスのパワーに変換し、有効に活用する

では、嫉妬をマイナスではなく、
プラスの嫉妬にするにはどうしたらいいでしょう?
最も重要なポイントは、現状を受け入れることです。
自分が「嫉妬している」「うらやましいと思っている」ことに気付くことです。
これは言い換えると、人との違いを受け入れることでもあります。

他人と自分は違うし、選ぶ側・選ばれる側それぞれの人間も違う人間です。
強みも人それぞれ違いますよね。
強みをはじめ、それぞれに違いがあることを受け入れたうえで、
自分ができることを明確にし、目指すところを意識し、行動していくことです。


物事をうまく活かすには、色々な要素があると思います。
嫉妬もマイナスではなくプラスにもっていき、
そのプラスパワーを使うこともそのひとつの要素だと思います。

強みも活かす

何より自分の強みを発揮していると、人は満足感・充実感を得やすいです。嫉妬もプラスに働く傾向があります。本来の自分の良さを活かすために、自分の強みを再認識して、プラスのパワーを発揮してほしいと思います。

あなた自身の強みを理解し、自分が何を考え、
どんな発言・行動を起こしているのか?

自己を客観視していくトレーニングをしていきましょう。


それが本来あなたがもっている
強み・価値観に沿った生き方につながっていきますので、
満足感や充実感という感情を味わいながら、
より望んだ毎日を作っていくことができるようになりますよ。


オイディプス王は運命に翻弄された悲劇です。
その戯曲を観劇したとき、民を救った偉大なリーダーが、
突如、攻撃的になったところがとても印象的で、
同時に悲しさを私は強く感じました。

コロナ禍でそれぞれが、それぞれに大変な状況だと思いますが、
私は一人ひとりが強みを活かし、
より自分らしく過ごされることを願い、応援しています!

それではまた。
森田由美子