自分の人生を生きている実感

こんにちは、森田由美子です。
「できるかできないか」ではなく
「やるかやらないか」、といった言葉を耳にします。

友人が昨年3月末に定年を迎えました。
お料理好きでポスピタリティあふれる彼女の長年の夢は、
定年後は小料理屋をやりたいということでした。
私はその言葉をずいぶん前に一度聞いただけですが、
何とこの不安定な時期にも関わらず、
彼女は今年の1月にお店をオープンさせました。

「よく決心したね」と言うと、
彼女は「やるかやらないかだから、
やらない後悔よりもやって後悔したい」との言葉。
独身の彼女は不安もあるとは思いますが、
その言葉に覚悟と希望と、
そして何より自分で自分の人生を主体的に生きているなぁと感じました。

私がキャリア教育を始めた頃、かれこれ20年前になりますが、
その頃、定年間近の方の研修でよく聞かれたのが、
定年になったら「ゆっくりする」
「女房と旅行に行く」と言った声がほとんどで、
まれに「自分の夢に挑戦したい」と言う方がいたら珍しく思われたものです。
それが当たり前の時代だったとも言えますが、
しかし、その頃既にキャリア教育は始まっていました。

最近は、人生100年時代といわれます。
人生が100歳まで続くのが当たり前となる時代のことだそうです。
2007年生まれは107歳まで生きるといった研究もあるようですよ。

平均寿命は「0歳における平均余命」のことで、
2019年(令和元年)の平均寿命は男性81.41歳、女性は87.34歳です。
一方、健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、
2019年(令和元年)の健康寿命は男性72.68歳、女性は75.38歳だそうです。
平均寿命は延びるけれども、健康で日常生活が制限されずに生活できるのは
現在のところ70代半ば(男性の健康寿命は延びてきており女性との差が縮まってきている)のようです。


定年退職も65歳、将来的には75歳になるとも言われています。
定年が長くなるのは収入金額はさておき、
安定的に賃金を長く得られるというのはありがたいことです。
しかし、その後も働き続ける人生が待っているということでもあります。

あなたは、あなたの仕事人生をどう考えますか?
先日、某企業の50代半ばの方の面談をしていて、定年の話になりました。
「このまま雇用延長するしかないかな~」とつぶやかれました。
よく聞いていると、自分でしてみたいこともあるらしいのですが、
「それは夢だよね」と言われます。
その流れで前出の友人の話をしたところ、
「よく決断できるなぁ~」との言葉が返ってきました。

したいことがあるのは希望です。
75歳まで働くとしたら、今の仕事を延長するもよし、
定年をチャンスと捉えて自分の可能性を試してみるのもよしです。
ただし準備は必要です。
今からでも遅くはありません。
自分の75歳までの生き方を主体的に考えてみて欲しいのです。


その時には、もちろん生活も一緒に考えていきましょう。
70歳まで働いてその後は元気なうちにしたいことをする、
働き方の時間を工夫して働きながら余暇を楽しむ等々。

人生100年あると思うと、
「もう遅い」なんて言葉は通用しないように思えます。
自分の人生の主役は自分です。


自分はこれからの人生をどう送っていきたいのか、
ちょっと立ち止まって考えてみませんか?
自分の人生を主体的に生きている実感は大切です。

それでは、また。
森田由美子