感情の老化を防ぐ方法

こんにちは、森田由美子です。
下記の詩を一度は目にしたことがある人は多いのではないかと思います。

青春とは心の若さである 信念と希望にあふれ
勇気にみちて日に新たな 活動を続けるかぎり
青春は永遠にその人のものである

松下幸之助

これは、経営の神様といわれる松下幸之助氏が作ったものです。
「感情の老化」について書こうとしていて、ふと思い出しました。
つねに「若くありたい」という希望と、
「若くあらねばならない」といった戒めを込めた言葉だそうです。
日々心の若さを保つために新たな活動を続けていらっしゃったのですね。

心が若くあるためには、感情も大きく関係してきます。
年をとっていくと脳の萎縮が起きてきますが、これは致し方ないものです。
脳の老化は、感情をつかさどる「前頭葉」から、まず縮み始めます。
前頭葉とは、大脳の前方の部分で、
思考、意欲、感情、性格、理性などをつかさどる部分ですが、
これらの機能が老化とともに低下していくわけです。
前頭葉が委縮していくと、意欲がわかない、
集中力がなくなるなどの弊害が出てきますし、
依存症でも自分の感情をコントロールできないなどの
前頭葉の機能の低下が報告されています。

また、前頭葉の老化は早ければ40代、50代から始まり、
そのまま放っておくと50代、60代になった時に、
若々しい人と年寄くさい人で大きな差がでてくるようです。
ちなみに、年をとっても体力・知力は意外に衰えず、
体力は使い続ければ維持されるようですから、
早いうちの前頭葉のケアが大切です。

では、前頭葉のケアはどうすればいいのでしょうか?
ここに「感情」が大きく影響してきます。
あなたは、最近感動したことがありますか?


「毎日、何かしら発見があって感動している」、と言う人もいれば、
「な~んにもいいことはないし、いつもと変わらないよ」という
人もいるかもしれませんね。
年を重ねるというのは「当たり前」が増えてくることでもありますから。
前頭葉のケアのために、この「当たり前」を
当たり前ではなくする工夫が必要だと考えます。


例えば、いつも通る道を変えてみる。
いつもなら頼まないメニューを注文してみる、
いつもならやらないことをしてみる。
「もう〇〇歳だから」を「まだ〇〇歳だから」に変えてみる、
年をとっても丸くなる必要はなく、とんがってみるのもいいかもしれません。
年甲斐もなく、に挑戦するのもいいかもしれません。

面談をしていると、毎日がつまらない、何もしたくない、
昔は良かった、という言葉を耳にすることがあります。
そういった方は、既に感情の老化が始まっているかもしれません。
毎日に何かちょっと違ったことを付け加える、土いじりをしてみる、
昔ではなく、これからをまず口にして話を組み立てる、等々。
ちょっとしてできることはたくさんあります 。


コロナ禍はこの感情の老化を助長しましたが、
今はその制限がだいぶなくなってきました。
感動は、自分の行動を変える、
新たな気づきを当たり前にしない、ことで得ることができます。
松下幸之助氏の詩の中にある、日に新たな活動を続けて、
青春を永遠に自分のものにしてください。
いつまでも若々しくありたいものです。

それでは、また。
森田由美子

参考:「人は感情から老化する」和田秀樹著