こんにちは、森田由美子です。
第1回メンタルタフネスフォーラムでご登壇いただいた、中国新聞社で産業医をされている水津純江さんのお話を振り返っていきます。筑波大学准教授の大塚先生と、事例発表をしてくださったアンデルセングループの執行役員 総務部長 中島さんのポイントの振り返りはコチラからどうぞ。ピョートルの講演と対談の振り返り記事をご覧になりたい方は、コチラからどうぞ。
テーマ:『産業医の目から見る強みの有効性』
水津先生は中国新聞社の産業医という立場で、日々多くの方と関わりを持たれています。その中で、自分(己)を知ることが他者理解につながること、他者理解を深めることで、相手との関係が良いものになっていくことを、ご自身の体験と『強み』を通してお話くださいました。
お話を伺っていて、職場に水津先生のような産業医がいることの心強さを私は感じました。医師という専門性はもちろん頼りになりますが、それとともに、自分の軸を持って、目の前の一人ひとりの可能性を信じて接していかれようとする姿勢が、「目の前の人に寄り添う」「人は皆違う」「自分という存在をいとおしむ」といった言葉にあらわれていました。
リーダーに求められる『コンパッション3つの資質』
水津先生のご経験から、私は『コンパッション』という言葉が浮かびました。コンパッションは日本語では「慈悲、思いやり」と訳されますが、実践者のあいだでは「相手に寄り添う、という表現が近い」と言われています。そのコンパッションは、今の時代のリーダーに求められる能力とも言われています。
その求められる資質は3つあると言われています。
1つ目は「その場にしっかりいられる能力(目の前に起きていることを受け止めて、逃げないこと)」、2つ目には「相手を大切にし、相手に関心を持つこと」、3つ目には「相手にとって最善の結果になるよう貢献する」ことだそうです。これらのベースになるのがコンパションと言われています。水津先生のご経験とお考えを伺っていて、コンパッションを自ら実践されているように感じました。
強みは誰もが32個すべてを持っている
水津先生が言われたように、強みは32個の全てが自分の中にあります。並び方が違うだけです。診断を何回やっても順位が変わらない強みもありますし、上位5つから見えなくなってしまう強みもあります。
水津先生が己を知るために、初めて強み診断をされたときには「学」と「誠」が上位にあったそうです。その頃は、仕事もプライベートも非常に悩まれていたとのこと。そこで、強み診断の結果を、その時の自分にとって「必要なものだ」と前向きに捉え、学ぶことに専念されたそうです。その決断とアクションが、次の出会いを生んでいき、次のステージに向かって進んでいる実感を得られたとお話されていました。「今・ここ」に向き合うからこそ得られた感覚ですね。
ちなみに、水津先生が1年前に2度目の強み診断を受けたときの結果は「起」「勇」「解」「望」「柔」だったそうです。自分の置かれている状況や、メンタルの具合によって、強みの結果は変わっていく場合もあります。そのときの自分の「今・ここ」を有効に活用するために、強み診断の結果を使ってもらえれば嬉しく思います。
強みの捉え方次第で、強みを活用する効果は変わる
また、水津先生は『強みの捉え方』についてもお話くださいました。診断で出た結果を悪く使おうと思えば、いくらでも悪く使えるというお話でした。「私にはそんな強みはないから、その仕事はできません」とできない理由に使ったり、「あの人はこんな人だ」と決めつけたり、自分の都合のよいように解釈する道具にしてしまうこともできます。せっかく持っている強みを、悪い面にだけ使うなんて、本当にもったいないことです。
ご理解頂きたいことは、32の強みの素質は、どれでも使おうと思えば使うことができるということ。上位に出てきた強みは、そのときのあなたにとって、使いやすい強みです。強み診断を受けていなくて、自分の強みを認識していなければ、裏強み、つまり弱みだと思い込んだりするケースも今までに見てきました。下位の32番目あたりにくる強みは、たしかに強く意識をしないと使いにくい強みです。ですが、意識して使えば使える強みなのです。必要に応じて使うことができると認識して欲しいです。
覚えておいてほしいのです。苦手な強みは、使いにくいけれども使うことができます。診断結果の上位にないからといって、使うことを最初から拒否するようなことは避けたいものです。あなたの可能性を閉じてしまうだけです。
現場で『強み』を活用している水津先生からメッセージ
水津先生は、下記の言葉をまとめとして示してくださいました。
- 強みのない人はいない
- その人の強みを認め、可能性を信じる
- 起きた事柄に対して反省・対策はするが自分・人を否定しない
- 誰しも成功するのにワープはできない
- 完成形はなく生涯成長できる
現場で実践されている方の言葉には力があります。勇気をもらえる応援メッセージですよね!
最後に私から水津先生に、「水津先生にとって、愛おしい強みはどれですか?」と質問させていただいたところ、「『起(たつ)』です。それは本能だと思います」と真っ直ぐに答えてくださっていました。ご自分の強みを信頼し、楽しむために強みを使ってらっしゃる。そんなメッセージが伝わってきました。
水津先生、ご登壇ありがとうございました!
それでは、今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
今日もタフにいきましょう〜
森田由美子