【管理職向け】自分の強みを押しつけたがる人になってませんか?

こんにちは、森田由美子です。

管理職を対象に「強み」をテーマに研修をするときに、いつもお伝えすることがあります。それは「人は自分の強みを押しつけたがる」ということです。

例えば、あなたの強みが「目標を立てて達成を目指す」場合なら、目標を立て、それに向かって行動することは苦になりません。あまり迷わずに目標を立てることができます。当社の強み診断で言うと「志」(こころざし)の強みがある方のことです。

しかし、多方面にわたって興味関心が強く、学習欲が強い人もいます。ついついあれもこれも手を出していき、目標を達成するというよりも学ぶこと自体に満足します。慎重さが強い人もいますよね。自分の立てた目標が正しいのかどうか?確実にそれで進んで大丈夫なのか?と考えてしまう。目標を立てたり、行動を起こすまでに時間がかかることがありますね。

人はみんな違う。相手の強みを見極める。


そんな人たちをみると、「志(こころざし)」が強みの人は、相手のことを理解できません。

・なぜ、目標が立てられないのか
・なぜ、立てた目標を目指してすぐに動かないのか
・なぜ、答えを出さずいつまで考えているのか 等々

そんなふうに思ってしまいます。理解できないわけですね。

「人は皆違う」と頭ではわかってはいても、相手の立場に立つことは難しいのです。自分が人よりちょっとうまくできたり、人よりちょっと簡単にできるので、「君もできるはずだ!」「それくらいできるだろう!」というメッセージを送ってしまいます。

ですが、人は皆違います。

あなたの部下は、あなたと同じところに興味・関心を持っていないかもしれません。だから、そんなに簡単にできるものではないのです。それどころか、苦手意識を持っているかもしれません。自分とどう違うのか?を見極めることは、管理職には必須のスキルだと思います。自分の強みを押し付けても、欲しい成果につながらないことがある。そこをしっかり理解しておきましょう。

強みの押し付けは無意識にやってしまうので要注意


私の強みの一つに「陽(ポジティブ)」があります。自他共に認める強みです。なので、知らず知らずのうちに「何とかなる」と思ってしまいます。なので、ネガティブに考えている人のことが理解し難いことがあります。「なぜ、そんなに上手くいかないことばっかり考えてるのかな?」「やってみればわかるのに何をそんなに心配して動かないでいるのかな?」そう無意識に思ってしまうときがあるのです。

しかし、すぐに「人はみんな違うんだ」と思い出して、思考の方向を変えるようにしています。私と異なる強みを持っている人は「何とかなる」とは思えない。その事実をしっかり思い出します。そして、なぜネガティブに考えるのかをできるだけ聞くことを意識しています。気をつけていなければ、私は危ないことに「何とかなる」で押し通しそうになってしまうときがあるのです。

私は自分の強みを理解していて、人と違うことも理解しています。それでも、つい自分の強みだけを押し通そうとしてしまうことがある。すぐに気付いて思考の向きを変えられたときは、心から「強みについて知っていて良かった」と思います。知らなければ、自分の強みを押し付けるだけではなく、周囲の人の強みを打ち消してしまっている可能性もありますからね。

上司の「できる」は部下の「できない」


上司が部下に対して使う言葉に「私ができるんだから、できるはずだ」という言葉があります。聞いたことありますよね?言ったことがある人もきっといることでしょう。これも自分の強みを押し付けていることと似ていますよね。

部下の立場からすると「あなただからできるんだ」と考えたり、「やらなきゃ・・!!」と単なるプレッシャーになっているかもしれません。上司からすると、応援し励ましているメッセージを送っているつもりでも、部下には届きにくいメッセージになっている可能性があるわけです。逆効果になっているかもしれません。「私ができるんだから、君もできるはず」ではなく、部下の個性や強みを意識して、部下の強みを活かす関わりができるといいですね。

そのためにも、今一度、部下の強みに意識を向けてみてください。仕事の能力としては、上司であるあなたのほうが格段上でしょう。それは上司ですから当然です。しかし、部下にも必ず強みがあり、磨いて伸ばすことで、あなたを支えてくれることが必ずやあることでしょう。チーム力というのはそうやって磨いていくものです。そして、自分の強みを押しつけていないか、自分の強みの使い方が裏強み(弱み)になっていないか、振り返ってみましょう。

まずはここ1週間で、相手の表情が曇ったやり取りや、なんとなく違和感のあったコミュニケーションを書き出すことがオススメです。自分の強みと、相手の強みの違いに気がつくヒントが必ず出てきます。伝える言葉の選び方ひとつで、人は思わぬ成長を見せてくれることがあるものです。ぜひやってみてくださいね。

あなたの強み・部下の強みをマネジメントに活かしたいときは、ぜひご相談ください。

お役に立てますよ!