姑の介護から学んだ成長と発達 ―いくつになっても発達を止めない―

こんにちは、森田由美子です。

成長とは、身長や体重の増加、脳のシナプスの増加など、
時間に伴う量的な増大をいいます。
20歳前後で成長はピークを迎え、
その後緩やかに減退していくと考えられています。
一方、発達とは、時間に伴う質的な変化のことをさします。
産まれてから死に至るまで、私たちは様々な変化を続けます。


今日は、私の姑の話をします。
私は、今年96歳になる姑と現在同居しています。
昨年末から認知症が進み、足腰も目に見えて衰えていきました。
歩くのもおっくうなのか、椅子に座っている時間が長くなり、
立って歩くことを促してもなかなか立とうとしません。
ま、96歳になるんだからしんどいよね、と
周りも無理やり歩かせるのも気が引けていました。
これまでできていたことがどんどんできなくなってきた、そんな感じです。

しかし、お風呂に入ってもらうことを家族が担うのが不安になってきたので、
週1回の訪問看護とデイサービスを利用することにしました。
最初は怪訝な顔をしていた姑でしたし、
「どうだった?」と聞いても何も言わないので
「来週は行かない」、といつ言われるかと思ってドキドキしていました。

ところが、最初のデイサービスから帰って数日が経ったとき、
なんと歯医者の予約しようとしていました。
尋ねると「入れ歯が合わないから直したい」とのこと。
これまで何度入れ歯はしたほうがいいよ、といっても
受け入れてくれなかったのが、急に自分の身なりに気を使いだしました。
驚いたのが、デイサービスの迎えのバスが来ると、
これまで時間をかけて二つの杖を使ってふらつきながら歩いていたのが、
なんと杖をうまく使いながら速足で歩きだしました(驚)
顔つきもしっかりしていきたように思います。

発達とは時間に伴う質的な変化、もう衰え続けるだけ思えた発達が、
持ち直しました!!
年齢とともに後退していくだけかと思っていたのが、そうではなかった。
一定の刺激が加わると、人は質的に変化していくことができます。
姑は、入れ歯を直したので、
きっと自信をもってデイサービスにいくことでしょう。

人は、何もしなければそのまま老化していきます。
老化するのは仕方ないことです。
しかし、何らかの刺激があると、変化し続けることができると
姑から教えてもらったように思います。
私たちはいくつになっても発達できる!!!
発達を楽しんでいきたいものです。


こちらも私事ですが、6月半ばに孫が生まれました。
この世に生まれ出てまだ1週間、とっても可愛いです。
孫の成長と発達は始まったばかり、これからが楽しみです 。

現在、96歳の老人と1週間の新生児との生活で、
「生」について考える機会をもらっています。
姑の発達も楽しみたいと思います。

それでは、また。
森田由美子