先月、新入社員研修をさせていただきました。
テーマは『メンタルタフネスを手に入れる』。
内容としては、メンタルヘルスと
メンタルタフネスの両方を入れています。
(どちらもつながっているものと考えているからです)
4月からスタートしてきた、
丸4ヶ月の新入社員の研修プログラムの終盤です。
70名近くの新入社員さんは、
8月から各部署に配属されていきます。
8月からそれぞれの部署で働くので、
いわゆる「五月病」はありません。
タイミング的には、「お盆の休暇明け」が
それにあたることが想定されます。
そこで今回の研修では、2つの目的を持っていました。
新入社員のみなさんが、
・リアリティショックを乗り切ることができること
・自己肯定感を持って職場で仕事ができること
この2つにフォーカスを当てて研修を進めていきました。
研修後半では、
「メンタルタフネスとは何か?」を理解してもらい、
「自分の強み・裏強み(弱みになる)」についても
認識を深めてもらいました。
また、求められても使うのが難しい強みについて、
カードワークやグループでの
話し合いをしたりしながら進めました。
そんな研修の中で、人それぞれの違いが
如実に現れたワークがありました。
強みを意識しながら、
自分の10年後の姿をコラージュという技法で
描いてもらうワークです。
それぞれの多様な個性が発揮できていて、
個人の可能性・組織の可能性を
感じさせてくれるものでした!
お互いの違いを認識し、
受け入れることは、
コミュニケーションの面でも、
ストレス軽減の面でも、
大きなメリットがあることです。
本当は時間が許されるなら、
全員の発表を聞いて共有したかったくらいです。
ほぼ全員、持参した材料は旅行のパンフレット。
コラージュをするには素材が少ないかな〜と
正直に言えば感じていました。
ところが、みなさんそれぞれ
個性的なものを仕上げたのです。
自分の強みを活かした10年後を
描いてくれていたことに、
私は感動しました!
コラージュというのは
絵画の技法のひとつで、
やり方は色々な手法があります。
私はいらない雑誌やパンフレットを
持ってきてもらって、
思い思いにそれを切り抜いて、
台紙に貼る作業をしてもらいます。
コラージュ作成の面白いところは、
最初からストーリーを描いて
それを表現するのではなく、
できたものに、どう意味付けするか?というところが
とても興味深いところです。
例えば、同じエアーズロックの写真。
ある人は「広い心」と表現し、
また別の人は「存在感」と表現していました。
もしくは、その色に反応した人もいたかもしれません。
素材の切り方や貼り方も様々です。
線に沿って切る人、マルやギザギザに切る人、
それ以外の切り方をする人もいます。
貼り方も実にそれぞれ。
中心にだけ貼る人、周りの枠を貼る人、
台紙からはみ出して貼る人、
空間が多い人、台紙が見えないぐらい貼る人。
図工や美術が得意とか苦手とかは
関係ありません。
どのような画像を選択するか、
どのように切り取るか、
どのように貼るか、
そして、完成したものをどのように意味づけするか?
それぞれが持つ強みや個性が、
自ずと表現されていきます。
強み診断で「謙(けん)」が
一番の人はこんな発表をしていました。
カルスト台地の表面の部分と、
洞窟の部分の写真を貼ったコラージュを作り、
「先頭に立つのは苦手だが、
しっかり考え準備して、
全力を持って支えます」
そんな言葉を発表しました。
「謙(けん)」の強みの特徴を理解して
話してくれたな、と思います。
「陽(よう)」が強みの人は、
笑顔の素敵な写真を使ったコラージュでした。
「10年後はこんな笑顔で、周りの人と話し、
役に立つ人間になっていたい」といったことを
話してくれました。
新入社員研修の担当者の方も、
「少ない材料、しかも
みんな同じ材料でどうなるのか・・・」と、
実は心配されていましたが、
みなさんあっぱれでした!
同じ材料を使ったコラージュだったのですが、
「底力」という文字を切り抜いた人が多かったことが
印象に残っています。
偶然に出会った言葉ですが、
新入社員さんたちの
心の中に「底力」という言葉が残り、
ずっと流れていくことをひそかに期待しています。
長い職業人生では、必ず色々なことが起こります。
多くの感情と付き合っていくことになります。
しかし、自分を信じて掘り下げていけば、
自分の中に眠っている
「底力」を引き出せることを
強く信じ続けて欲しいと思います。
研修の最後には、それぞれが持つ
「強みの取扱説明書」を書いてもらいました。
自分の強み・裏強みの
総まとめの意味で作成しましたが、
配属先の上司の方々も、
それぞれの個性が書かれた「トリセツ」を
参考にしてもらえることと思います。
部下の持っている個性や力が
活かせるコミュニケーションの
ヒントにして頂きたいです。
今回は改めて、
「メンタルヘルス」と「メンタルタフネス」の
両方をつなげて伝える研修は、
役に立つものだと確信しました。
「回復力」と「開発力」のどちらにも
アプローチできるからです。
仕事をしていけば、
思うようにいかないこと、理不尽なことなどで、
メンタル的に弱ってしまうこともあるかもしれません。
そんなときにメンタルのダメージを
自分で癒せる『回復力』をつけること。
そして、いきいきとした毎日を送るために、
自分を活かす『開発力』を身につけていくこと。
彼・彼女たちの仕事とプライベートが
充実することを心から願っています。
タフネスでいきましょう!