メンタルヘルス不調は気合だけでは治せない!

こんにちは、森田由美子です。
今回は、メンタルヘルスについてお伝えします。

ある方が会社をメンタル不調でお休みせざるをえなくなりました。
そのことを上司に伝えたところ
「休むのはいいけれど、あなたのためを思うと休まないほうがいいと思うよ」
「休むと評価が下がるから」という言葉が返ってきた。
そんな話を聞きました。
この言葉を聞いて、あなたはどう思うでしょうか?

もしあなたが上司だったら、
「医師が休んだほうがいいというのだから、ゆっくり休め」と言うでしょうか。
それとも「部下のことを思うと評価が下がるのはかわいそうだから、頑張れ」と
言うでしょうか。

この事例の上司は、部下のことを思い
「評価が下がるから休まないほうがいい、何とか頑張れ」と伝えたそうです。
病気になったら治療が必要なのは当たり前です。
しかし、立場が変われば理解が難しくなる・・・。
ラインケアの研修をしている者としては、
管理職さんにそれを理解してもらう難しさを感じました。

確かに、生産性やキャリアアップなどの視点から言えば、
休まないほうが社内の評価が高くなる組織もまだまだあるでしょう。
年収だって結果として変わってくるかもしれません。
この管理職は、そちらの方を伝えたく
「何とか頑張れ」といったのかもしれません。
しかし、何とか頑張るのにも限度があります。
頑張りたくても頑張れないんです。
メンタルの不調が起きて休みに入るということは、
現在働ける状況にないということ。
仕事や職場が原因であれば、
ストレスの原因から距離をおくといった意味があります。
頑張れば何とかなるものではありません。

管理職には、使用者から委譲された労務指揮権と
雇用する従業員の健康や安全に配慮すべき安全配慮義務があります。
これらは表裏の関係にあります。
従業員の健康や安全に配慮することが、
生産性につながりそれがひいてはキャリアアップにつながる、
メンタルヘルスの予防、不調者の早期発見と対応は、
そういった意味でもとても重要な管理職の役割です。

私の経験上ですが、休みに入る方は、たいていの場合、
休職するのをためらう方が多いです。
休んで同僚に迷惑をかけるのが心苦しい、
休んだら周りからどう思われるかが心配。
会社を休むということをなかなか受け入れることが難しい。
気になる仕事をやり終えるまで頑張るという方もいらっしゃいます。
そして休みに入っても、このまま休んでいていいのだろうか、
休んでいるのだから何か仕事の勉強でもしなければといったように、
休んでいることに罪悪感を持っている方も多くいます。
そんな苦しい気持ちを管理職の方々には理解してもらいたいと思います。

メンタルヘルスのラインケアの研修をする機会が多いですが、
こういった出来事に出会うと、
まだまだ『メンタルヘルスは気合で何とかなる』と
考えている管理職が多いのだろうと思います。
メンタルヘルス不調は病気です。
病気は気合ではなく治療が必要です。
その治療の一つが『休む』ということです。

暑い夏も、気合でがんばるのではなく、
しっかり体調管理をしましょうね!

それでは、また。
森田由美子