「気づく」ために「関心」をもつ

こんにちは、森田由美子です。
朝夕は、少しは過ごしやすくなりましたが、
まだまだ昼間は暑い日が続いています。
私は、涼しい部屋から空に浮か雲をぼ~っと眺めてみるのに、
今ははまっています。去っていく夏を楽しみましょう!

さて、今日はメンタルヘルスのラインケア研修の時に
いただいた質問について考えてみます。
それは、「部下と接するときに、メンタルヘルスの視点で
必要なことを一つだけ選ぶとしたら、何ですか?」という質問でした。
私は、「部下に関心を持つこと」とおこたえしました。
そう思う理由は、関心を持っていなければ
気づけるものも気づけないからです 。


メンタルヘルスでは、不調者に早く気づくためのポイントとして、
欠勤や遅刻が増える・能率の低下・ミスが増える等などありますが、
管理職たちからは「そんな様子は一切見られなかった」という
言葉をよく聞きます。
上司の前では、体調が悪くても一生懸命に
頑張っている人もいるでしょうから、
なおさら不調に気づくというのは難しいかもしれません。
メンタルの不調に気づくポイントは「いつもとの違い」です。
この「いつもとの違い」、これが簡単そうで難しいことが、
「そんな様子は一切見られなかった」という言葉からもわかります。


しかし、じっくりと管理職さんのお話をきいていると、
「あれがサインだったのか」と思い当たる節がでてきます。
実は、部下が何のサインも出していないというよりも、
出した不調のサインを見逃していることが多いんです。
そんな時は、「気づいてやればよかった」という言葉が出てきます。
気づけなかったことを後悔されます。


日々忙しい管理職さんが、部下のいつもとの違いに気づくために
できることが、「いつもとの違いに気づく」ことなんです。
忙しいとついつい事柄だけに注意がいきがちですが、
意識的に時間をとって、まわりにいる部下に意識を配ってみましょう。
ご家庭では、朝起きたとき家族の体調の変化に気づくことがあると思います。
たとえば子供さんの顔色が悪ければ「あれ、おかしいな」
「体調でも悪いのかな?」ときっと気になりますよね。
そして、「どうしたの、どこか調子が悪いところがある?」と尋ねたり、
体温計で熱を測って熱があれば学校を休ませたり、
熱がなければ様子をみたりします。
職場も同じです。
一緒に時間を共有する部下たちの様子を見渡してみましょう。
「今日の体調はどうかな」「いつもより声が明るいな(暗いな)」
「なんか嬉しそうだな(沈んでいるな)」「出社はいつもと同じ時間だな」
「仕事でわからないことはないだろうか」等など。
部下を気遣う時間を日々とっていくと、どんどん気づく力がついてきます。

部下のいつもとの違いに気づいたら、声をかけて様子をきいて、
必要があればじっくり話を聴いたり、
健康管理スタッフにつないだり対応することができます。
ラインケア、「部下に関心を持つ」ことを意識してみてくださいね。


そして、なにより自分にも関心をもって日々過ごしてみましょう。
自分に関心をもつことで新たな自分に気づくことができるかもしれません。
「気づく」って新しいものをみせてくれますよね。

それでは、また。
森田由美子