努力が報われるとは

こんにちは、森田由美子です。3月を迎えました。
3月はひな祭りに始まり、4月に向けての
『新学期』『新生活』『新社会人』などなど、
様々な『新』とつくものが動きだす時季です。

何かが変わる、何かを変える、というのはドキドキもするけれども、
新しい刺激に出会えて、いいものですよね。あなたの『新』は何でしょうか ?

努力が報われるとは

北京オリンピックも終わりましたね。
悲喜こもごもの祭典が幕を閉じました。
力を尽くす選手たちの姿に引き込まれた2週間余りでした。

印象深い試合はいくつもありましたが、
私は『努力』という言葉が印象に残っています。
「努力が報われました」
「ここまでがんばってきてよかった」という言葉がありました。
「報われない努力だったかもしれないけど、でも一生懸命がんばりました」
といった言葉もありました 。

オリンピック選手たちは、彼らができる限りの努力をして
オリンピックに臨んだことは明らかですし、
その努力は並大抵のものではなかったと思います。
でも、実際にはその努力が報われたと言える人もいれば、
報われなかったという人もいました。

私たちは「努力しなさい」「努力は報われる」と言われてきました。
「達成できないのは努力が足りないからだ」とも。
そして、より努力することを促されます。本当にそうでしょうか?
努力すれば、すべてが報われるのでしょうか?


「悔しい」という言葉も多く聞かれましたね。
この悔しいという言葉はとても重みのある言葉です。
努力したからこそ、出てくる言葉です。
そして、そのあとには「一生懸命がんばった」
「すべてを出し尽くした」「これが今の実力です」といった
言葉が聞かれました。
そんな言葉を聞きながら
「成功だけが努力が報われたということではなく、
すべてを出し切ったと言える、それが、努力が報われること」なのだと
改めて思いました。


努力がメダルという形で報われた人も、
成功はできなかったが、
すべてを出し尽くしたという心境で報われた人もいると思います 。
何より、努力したアスリートたちの姿は、
私たちに感動を与えてくれたことは確かです

努力の先に見えるもの

私は、企業でカウンセラーやコーチとして社員さんのお話を伺っていると
「何をしていいのかわからない」
「自分がどうしたいのかもわからない」といった相談があります。
何をやってもむなしく感じて、何をしていいのかもわからない。
何かを始めても、なんか違うなと思ってやめてしまいます。
何をしてもむなしく感じてしまっているようです。

アメリカの精神分析学者のエリクソンは、
青年期を「大人になることへの猶予期間」として
『心理社会的モラトリアム』と表現しました。
現代社会において、自分探しは青年期に限らず続いているようです。

自分探しをするにしても、私はまず小さくてもいいから
自信をつけて欲しいのです。
そのために、達成できなければ「悔しい」と思える
努力をしてみるのが役に立ちます。

何をしていいのかわからない、自分は何をしたいのかわからないといった、
今すぐに答えが出ないことを考え続けていると、
ネガティブな思考になってしまいます。
不安を集めすぎるとメンタルヘルスにもよくないことは明らかです。

今、自分が何をしたいのか、どうすればいいのかわからない人は、
少しでも興味や関心を持ったことに目標を決めてやり通してみましょう。

例えば、何かの資格取得、毎日すると決めた散歩やストレッチでもいいです。
資格であれば資格取得に向けて、
運動であれば期間などを決めてやり遂げるように努力しましょう。
ポイントは、「達成できなければ悔しいと思えるぐらいに取り組む」、
ということです。結果は運もありますが、その努力は無駄にはなりません。
「力を出し切った」という達成感を与えてくれます。

私が展開している「メンタルタフネス講座」では、
メンタルタフネスになる5つの要素があります。それは、「SPACE」です。
SPACEの「E」はEngagementですが、意味は『熱中』です。
アスリートたちはゾーンに入るともいいますね。
熱中することで集中力が高まりパフォーマンスが向上するだけでなく、
目の前の課題に楽しさを感じることができます。
つまり、ポジティブな思考に移行するわけですね。
それは、次のステップをきっと見せてくれることでしょう。


さぁ、あなたは何に取り組みますか?

新しい春に向けて、今も努力を続けている方も多くいると思います。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。
自分で全力を尽くしたら、あとは天の意思に任せる、という意味ですが、
「できることはやった、あとは私がどうこうできるところではない」ということでしょうか。パラリンピックも含め、健闘を祈ります 。

そして、何より世界が平和に向かうことを祈ります。

それでは、また。
森田由美子