ある本にこんなことが書かれていました。
「実は、組織に属しているほとんどの人が、
本来の仕事とは別の『もう一つの仕事』に精を出している。
お金ももらえないのに、その仕事はいたるところで発生している」
・・・何だか分かりますか?
本来の仕事じゃないし、
お金ももらえない。
だけど多くの人が一生懸命やっている仕事。
これをやめることができると、
個人としては能力アップになりますし、
組織の成果も出しやすくなると言われています。
しかしながら、組織に属しているほとんどの人が、
お金ももらえないのにがんばってやっていることです。
無報酬なのに頑張っていることとは?
答えは、
「自分の弱さを隠すこと」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と書いてありました。
その本には続きがこう書かれていました。
「多くの人が自分の弱さを隠すことに時間とエネルギーを費やしている。まわりの人から見える自分の印象を操作し、なるべく優秀に見せようとする。駆け引きをし、欠点を隠し、不安を隠して、限界を隠す。自分を隠すことにいそしんでいる」
なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる ロバート・キーガン/著 リサ・ラスコウ・レイヒー/著 中土井僚/監訳 池村千秋/訳 英治出版
いかがでしょう?
思い当たる所はありますか?
・知らないのに知っているふりをする
・ミスを隠す
・自分を正当化するために相手を否定する
などなど、
できない人と思われたくなくて仮面を被り、
「実際の自分よりもよく見せようとする仕事」に
多くの人が一生懸命になっているのです。
どうして私たちはこんな無駄なことをしてしまうのでしょう?
無能だと思われると、恥ずかしいから?
お給料が下がる可能性があるから?
弱さは欠点だと思うから?
完璧な自分でいたいから?
人より優れていたいから?
様々な理由があると思います。
私たちは様々な理由をもとに、
職場で自分を守るために鎧を身につけています。
失敗したらダメ。
優秀だと思われなければダメ。
弱みを見せると自分の価値が下がってしまう。
弱い自分を見せたらマイナスになると考えています。
だから、私たちは鎧を纏って「弱い自分」を隠しています。
でも、本当にその鎧は「弱いあなた」を守ってくれているのでしょうか?
鎧を纏い「弱い自分」を隠すことで、
「自分自身」が分からなくなっていませんか?
弱さを見えないことにしていると、
強さも見えにくくなってきてしまうのです。
自分がどういう人間で、何が得意で、何が好きで、
どんな時に頑張りすぎてしまうのか?
不要な鎧のせいで、本当の自分が見えなくなっていることがありませんか?
鎧を纏うから苦しくなる
鎧を纏って本来の自分を隠すこと。
短期的に自分を守ることはできるかもしれません。
しかし、長い目で見ると、自分を抑えつけることになり、
のびのびとした感覚で働くことが難しくなっていきます。
言葉を変えると、鎧を纏うことは、
自分の殻に閉じこもることになるからです。
弱いところを攻撃されないようにしたり、
攻撃対象にならないように「ある一定のレベル」で力を制御する。
すると、いつの間にか現状維持を目指すようになってしまいます。
本当は自分自身でも「もっとやれることがある」と
気づいているのに、見えないフリをする。
しかし、自分の心はちゃんとわかっているわけですから、
フラストレーションが溜まっていきます。
弱みをなくせばいい?
強みも苦手なことも含めて「あなた(本当の自分)」です。
唯一無二の存在です。
特殊なスキルがなくてもあなたはあなたです。
(あなたを幸せにするのはあなたです)
知って欲しいことは、強みと弱みは表裏一体、ということです。
弱みは強みにすることができます。
精神的にも、仕事でのスキルにおいても、
自分の弱いところを理解しておくことで
弱さを強さに変えることができます。
弱みを強みとして活かすことができるのです。
幸せに働き続ける5つのステップ
仕事をしていると、
楽しいときも、面倒くさいときも、
苛立つときも、嬉しいときも、色々ありますよね。
苦しい時期が続くと、
「未来もずっとこのまま暗いままじゃないか?」と
悪いところだけを見てしまうようなときもあります。
ですが、幸せに働き続ける道が必ずあると私は思っています。
プロノイア・グループ代表取締役ピョートル・フェリクス・グヂバチ氏の
5つのステップを参考にしてみてください。
ステップ1.自己認識をする
『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』
ステップ2.自己開示をする
ステップ3.自己表現をする
ステップ4.自己実現をする
ステップ5.自己効力感を上げる
(ピョートル・フェリクス・グジバチ著、大和書房)
今回の鎧の話はステップ1と、ステップ2のところですね。
まずは、あなたが鎧を着ていることを自己認識する。(ステップ1)
すると、言葉や行動が変わってきます。(ステップ2)
どんなときに自分の弱さが出るのか?
鎧を着てしまう状況を思い出して、自分の言動を認識してください。
自己認識をする習慣は「力を発揮できる幸せ」を感じやすくなりますよ。
あなたの強みを意識して動くことができると、
もっともっと自分の良さを引き出すことにエネルギーを使えるようになります。
たとえば「人前で意見を発表するのが苦手だ」という人でも、
「じゃあ準備を徹底的にやろう!」とエネルギーを発揮できるようになります。
発表をする事実は変わらなくても、
自分の弱さを強みに切り替えてアプローチをすれば
高い成果をあげるエネルギーの使い方ができます。
自分のエネルギーの使い方がわかってきたら、
共に働く同僚の強みも知って、
同僚の良さを引き出すことにもエネルギーを使ってほしいと思います。
「お金にならないのに精を出しているもう一つの仕事」を手放すと、
あなたの能力がもっと開発され、
今よりもっと、職場でのびのびと仕事ができるようになりますよ!
応援しています。
森田由美子