嫌な感じの伝わり方を避ける方法

悪気はないのに、なぜか相手にダメージを与えてしまう。
「あれ?言ってること伝わってるかな?」と感じることがある。

そんなコミュニケーションになってしまっていませんか?

自分の気持ち・考えをまっすぐ相手に受け取ってもらうために、
ひとつ試してみて欲しいことがあります。

『アイ ( I )・メッセージ』を使おう

何か言うときに『私』を主語にすること。

それが『アイ ( I )・メッセージ』です。

つまり「私は~と思っている」「私は~したい」と伝えるスキルです。

当たり前に思われるかもしれませんが、
実はこれがなかなか難しいんです。

多くの人は「あなたは~〜だ」「○○さんは〜〜だ」といったように、
『私』ではなく『相手』を主語にした伝え方が多くなってしまいます。

これを『ユー(You)メッセージ』といいます。

例えば、上司が部下に「資料はまだできていないの?早くして」と伝えるとします。

この言葉の冒頭には『あなたは』という言葉が隠れています。

「(あなたは)資料がまだできていないの?早くして」という
メッセージが相手に伝わっているわけです。

上司からの指示なので、部下は「すぐやります!」と返事はするでしょう。

しかし心の中では、
「そんなこと言ってもこんなに忙しいのに・・」と思っている可能性があります。

そう思ってしまう原因は、
「自分を批判された」と感じているからです。

人は批判されたり攻撃されたと思うと、
反撃か言い訳をしたくなってしまうのです。

しかし上司としては、批判も攻撃もしているつもりはない。
でも、部下にはそう伝わる。

これが日々積み重なっていくと・・・
信頼関係から遠ざかってしまいますよね。

ユー・メッセージをアイ・メッセージに変える

では、これを『アイ ( I )・メッセージ』で伝えるなら、
どう言えばよいでしょう?

たとえば「資料がまだできてこないから心配している」と
いったような言葉になります。

これも冒頭に言葉が隠れていますね。

「(私は)資料がまだできてこないから心配している」というメッセージが相手に届きます。

つまり『私』が主語になると、
自分の考えや気持ち、何を望んでいるのかを相手に伝えることができます。

他にも職場でよくあるのは、
上司から部下に向かって「何やってんだ」といったような言葉です。

「(私は)ちゃんとやって欲しいだけなのに」という言葉は言わずに、
「(あなたは)何やってんだ?!」とだけ声に出して言う。

これも『ユー(You)メッセージ』のコミュニケーションですよね。

「私は〜〜」の部分はまったく声に出さずに、
「あなたは〜〜」の部分だけを声に出して伝える。

すると、本来の意図とは全くちがうことが相手に伝わってしまっている。
そんなことがよく起きています。

言葉にしなくても、意図を察してくれる人もいることでしょう。

しかし、相手に伝わらなければ、
コミュニケーションの目的は果たせません。

特に、職場の上司部下の関係では、
しっかり言葉にしないと、
信頼関係においてマイナスが生じる可能性があります。

上司に悪気がなくても、「批判された、攻撃された」と
部下が受け取るかもしれないからです。

だから相手に察してもらうことを期待せずに、
しっかり「私は〜〜」の部分を言葉にするほうが
良い関係を作っていけることでしょう。

(もちろん「私は〜〜」と言えばすべてOKではありませんよ!
表情・口調・身振り手振りなど、コミュニケーションは言葉だけではなく、
他にも要素があることをお忘れなく!)

「よく頑張ってくれた」と上司から言われても・・・?

たとえば上司から、「よく頑張ってくれた」と言われたとき、
あなたはどう感じるでしょう?

この言葉にも冒頭に隠れていますね。
「(あなたは)よく頑張ってくれた」のYouメッセージになっています。

この言葉を言われて、
頑張っていることをちゃんと認めてくれた、
と思う人も多いです。

しかし、中には「認めてもらえた」「労ってくれている」と捉えずに、
「ジャッジされた」とだけ捉える人もいます。

こんなときも『アイ ( I )・メッセージ』が有効です。

「私はあなたが頑張ってくれて嬉しい」というアイ・メッセージにするだけで、
相手にあなたの気持ちが伝わります。

何よりあなた個人の思いですから、会社としての評価ではないものとして、
相手は素直に受け取りやすいところがあります。

ただ、日常からの信頼関係が作れていない状態ですと、
「別にあなたに喜んでもらうために頑張ったわけじゃない」と
部下から思われてしまうこともあります・・・

良い組織づくりは日々の小さな積み重ねが大事です。

なぜアイ・メッセージが苦手なのでしょうか?

私たちは『アイ ( I )・メッセージ』を伝えるのがなぜ苦手なのでしょう?

シンプルなのですが、
これは自分の考えや気持ちを伝えなければならないからです。

アイ・メッセージは自分の内面を外に出すことになります。
相手に受け入れてもらえないことが怖かったり、恥ずかしかったりしますよね。

ですが、ユーメッセージばかりですと、
思わぬ形で相手にメッセージが届いてしまうことがあります。

だから最初は苦手でも、取り組む価値のあることだと私は思います。

誤解を与えずに気持ち・考えのやり取りをするために、
最初は勇気が必要な場面もあると思いますが、
スキルとして真剣に身につける価値があると知っておいて欲しいです。

アイメッセージに切り替える2ステップ

では、どのようにアイ・メッセージをしたら良いのでしょう?

次の2つのステップが簡単に始められるステップです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・ステップ1.
自分が「本当は何を伝えたいのか」を意識すること。
「今、この人に本当は何を伝えたい?」と自問する。
急に話しかけられたときは、2秒から3秒は反応が遅れるかもしれません。
でもユーメッセージをぶつけ続けるよりは良いと思います。

・ステップ2.
伝えたいことがクリアになったら、声に出す。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「何を伝えたい?」と自問して、一瞬でもいいから答えに近づく。
それから声に出して話はじめる。

これだけです。

やってみると今までよりも、すっきりとしたコミュニケーションが取れますよ。

お子さんがいる方は、子供に何か注意するときに
「(あなた)早く片付けなさい」というよりも、

「お父さん(お母さん)は、片づけてくれると助かるよ」と伝えてみてください。

きっと子供さんの反応が変わって面白いですよ。
アイ・メッセージ、ぜひチャレンジしてみてくださいね~☆

実際にやってみてうまくいったことがあったら、
教えてくれると(私は)嬉しいです!!
(私は)お待ちしています!!

こんな感じで気軽にやってみてくださいね(笑)

【ちょっと一言】

ちなみに、今回のテーマから少し外れますけど、
信頼関係が職場にないと、
メンバーは本来持っている力を発揮しにくくなります。

自分は自分、他人は他人と考えて動くようになってしまい、
本当は組織としてより成果を出しやすくなる道があるのに、
どんどん遠ざかってしまいます。

それは避けたいですよね。

個人個人の能力アップ・スキルアップもとても大切ですが、
それと同じくらい、他者と良好に関わるスキルも大事にして欲しいです。

他者と上手に関わるには、
自分と相手の違いを知ることがとても重要です。

では、あなたにはどのような特長があるのでしょう?

日本人向けに漢字で診断できるものがあるので
あなたの特長を理解してコミュニケーションをとるために
ぜひ診断してみてください。
→ http://bit.ly/2T1owEB